権田保之助ん家

権田保之助に関する情報を掲載

今回は映画の話です

  最近、映画好きの知人の影響で映画を観たい気持ちが高まりました。この1か月で、TV、DVD、ネットで映画を7本観ました。映画好きな人には少ない本数かもしれませんが、私にとっては異常に多い数です。

[この1か月で観た映画]
・道(1954年、フェデリコ・フェリーニ)ネット
日本沈没(1973年、森谷司郎)TV
東京物語(1953年、小津安二郎)DVD
カリガリ博士(1919年、ロベルト・ヴィーネ)DVD
時をかける少女(1983年、大林宜彦)TV
ボヘミアン・ラプソディ(2018年、ブライアン・シンガー)TV
・街の灯(1931年、チャップリン)ネット

 

・「道」は知人のお勧めで、期間限定で無料ネット配信されていました。何とも言えない悲しさが心に残る映画でした。実は1987年9月に開催された「フェデリコ・フェリーニ映画祭」で「道」を観るはずだったのですが、何かの事情で観ることができませんでした。手元に当時の映画観賞券がそのまま残っています。なんと34年後に観ることができるとは。
・「日本沈没」は以前に観た映画ですが、結構忘れている場面が多かったです。東大教授の竹内均本人がそのまま出演しているのも面白いです。「復活の日」もそうですが小松左京の原作を見事に映像化しています。
・「東京物語」も知人のお勧めで、DVDを購入しました。素朴な日常が描かれていて、風景や遊びなど懐かしい思いがしました。知人お勧めの小津安二郎の「晩春」、山中貞雄の「人情紙風船」も観てみたいです。
・「カリガリ博士」は権田保之助のお気に入りの映画で、以前から観たいと思っていました。amazonでDVD発売されていたので思わず買ってしまいました。カリガリ博士は「ホラー映画」ですが、怖さの演出・表現に芸術的な味があり、意外な結末で面白かったです。「メトロポリス」も権田保之助がかつて興味を持って観た映画なので見てみたいと思います。まずはTUTAYAでレンタルでしょうか。
・「時をかける少女」も以前に観た映画ですが、以前観た時とは印象がかなり違いました。大林宜彦の尾道3部作の「時をかける少女」が特に好きで、原作(小説)を読んで、TVドラマ、アニメ映画、演劇(キャラメルボックス)も観ました。それぞれ良さがあり、演出も工夫されていて比較してみるのも面白いです。
・「ボヘミアン・ラプソディ」も以前に観た映画ですが、やはり劇場の方が迫力があります。We are the champions いい曲です。日本語吹替だったので以前観た時以上に理解できました。
・「街の灯」も知人のお勧めで、無料ネット配信されています。コメディの中に笑いと感動があります。

 

 そういえば権田保之助も映画(活動写真)が好きで、毎週火曜日を映画デーとしていたので、毎月12本程度(1日3本×4週)の映画を観ていたことになります。当時はTVでの映画放映、DVD、ネットもない時代なので、実際に映画館へ足を運んでいました。

 

 さて、久し振りに映画を観て以下のことに気づきました。
・映画は純粋に、観ていて楽しいしワクワクする
・人生で大事なことを知る、思い出すきっかけとなる
・映画には監督のこだわり、メッセージがあり、見聞を広げることができる
・以前に観た映画を久し振りに観ると、以前とは違った印象を持つことがある(何度か観る必要あるか)

 権田保之助は「娯楽なき人生は死である。人間に食物と飲物とが必要であるが如くに」との持論を持ち、活動写真(映画)は民衆娯楽だとしました。
映画は観ていて楽しいしワクワクしますが「映画がないと生きていけないか?」と言われると微妙です。

 バレエダンサーの吉田都さんは、
「ドイツの文化相は「芸術家は我々の生命維持に不可欠」とおっしゃいましたが、日本は違いました。確かに水や食べ物と違って、無いと生きられないものではないです。でも、これだけストレスのある状況で、人々は何に心を救われるのでしょうか。今こそ芸術が大きな役割を果たすときだと、私は考えています。」と述べています。(朝日新聞 2021.2.20)
ドイツの文化相の言葉にビックリです!

 また、「思えば映画館にしろ美術館にしろ、日常から奪われる日が来るとは想像しなかった。文化は案外もろいもので、だから大事にしなければと気づく。」(朝日新聞天声人語」2021.6.5)とあります。

 

 映画から、楽しいひととき、感動、人生で大事なことの気づき、新しい見聞などを得ることができると思います。
映画を観なくても生きていけるとは思いますが、もしかしたら人生で大事なことを逸してしまっているかもしれません。